数少ない日本語で読めるText Services Framework (TSF)に関する文書を見付けたので、ここに記録しておきます。

TSFは、最近のWindowsで入力処理全般を担当するコンポーネントです。従来、Windowsでの日本語(や中韓)の入力には、Input Method Manager (IMM)が使われていましたが、これを置き換えるものであり、更に、手書きや音声認識などその他の入力手段にも対応するようになっています。Windowsの利用者としては、「詳細なテキストサービス」という言葉で目にしたことがあるかもしれません。

しかし、漢字変換に対応するものであるというのに不思議なほど日本語の情報がありません。まして直接TSFを使用して日本語などの変換候補を取得しようというアプリケーションとなるとほとんどありません。TSFを直接利用しているかどうかを判別するには、MS-IME 2002/2003のナチュラルインプットが使えるかどうかで判別できます。(スタンダードインプットはTSFでもIMMでも使用可能ですが、ナチュラルインプットはTSFでしか使用できません)。また、私は試していませんが、MS-IME 2007の予測変換が使用可能かということでも判別可能なようです。

すると身の回りにあるTSF対応アプリケーションは、Microsoft Wordくらいということが判明します。なお、ほかにTSFを使用できるものとしては、Rich Edit 4.1以上(ただし、初期状態ではIMM使用)や.NET Framework 3.0のWPFが挙げられ、これらではナチュラルインプットが使用可能です(個人的にはナチュラルインプットは好きだったので、MS-IME 2007で消える形になったのが残念です)。


プログラムする側から見ると、IMMのように変換文字列を取得するだけというような単純なものではないということも、情報が少ない一因でしょう。MS-IMEナチュラルインプットが気に入っていた私としては、SDKのTSFアプリケーションのサンプルを理解するくらいしたいところです。

ほかに、TSFに言及されているブロガーとして、NyaRuRu氏(2007年3月9日近辺)がおります。SDKのサンプルにバグがあるという指摘しているので、サンプルを試す際には忘れないようにしましょう。


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