Changes between Initial Version and Version 1 of TracReports


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Dec 16, 2006, 2:52:43 AM (17 years ago)
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trac
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  • TracReports

    v1 v1  
     1= レポート =
     2[[TracGuideToc]]
     3
     4レポートモジュールは、簡単かつ強力なレポーティング機能を提供します。
     5この機能によって、 Trac データベースのチケット情報を取得することができます。
     6
     7TracReports ではレポートの形式を定義するための方法として、独自フォーマットではなく、
     8SQL の `SELECT` 文を使用することにしました。
     9
     10  '''Note:''' ''現在の形式のレポートモジュールは、 Trac 開発チームでデータベースのスキーマにあわせる作業が必要になるという深刻な制限事項があるため、段階的に廃止します。より柔軟性に富みユーザビリティに優れた [wiki:TracQuery クエリモジュール] が代替手段として提供されます。どこかの時点でレポートモジュールを完全に削除することが出来るように、クエリモジュールで実現できないレポートがある間は、私たちはクエリモジュールを強化していくつもりです。また、これはレポートモジュールへの重要な機能追加は行わないことを意味します。''
     11
     12  ''以下の [wiki:TracIni trac.ini] のように無効化するだけで、レポートモジュールをクエリモジュールで完全に置き換えることができます:''
     13  {{{
     14  [components]
     15  trac.ticket.report.* = disabled
     16  }}}
     17  ''これによって、ナビゲーションバーの "チケットを見る" でのデフォルトのハンドラがクエリモジュールになります。もし可能ならば、この設定を有効にして、レポート機能がなくなることによって生じる不都合を報告してください。''
     18
     19レポートは以下の基本的なパーツから構成されます:
     20 * '''ID''' -- ユニークな (連番の) 識別子
     21 * '''レポート名 (Title)''' -- レポートのタイトル
     22 * '''説明 (Description)''' -- WikiFormatting で記述された、レポートの説明。
     23 * '''レポート本体 (Report Body)''' -- 後に述べるフォーマットで規定された、レポートクエリの結果。
     24 * '''フッタ (Footer)''' -- レポート本体を異なる形式でダウンロードするためのリンク。
     25
     26== ソートの並び順変更 ==
     27単純なレポート (特にグループ化されていないもの) では、カラムのヘッダをクリックすれば、そのカラムでソートすることが出来ます。
     28
     29カラムのヘッダがハイパーリンク (赤) になっていれば、クリックすることでそのカラムでのソートができます。並び順を逆にするには、もう一度クリックします。
     30
     31
     32== ダウンロードできるフォーマット ==
     33通常表示される HTML でのビューの加え、レポートはいろいろな形式で使用することができます。
     34レポートページの一番下に、利用可能なデータ形式の一覧があります。望む形式のリンクをクリックすれば、
     35その形式でのレポートをダウンロードすることができます。
     36
     37=== カンマ区切りテキスト - CSV (Comma Separated Values) ===
     381 レコードを 1 行として、各カラムをカンマ (',') で区切ったプレーンテキストとしてダウンロードできます。
     39'''Note:''' CSV 形式を保つため、各カラムのデータに改行文字やカンマがある場合、その位置で切り取られます。
     40
     41=== タブ区切り ===
     42CSV と似ていますが、水平タブ文字 (\t) で区切られる点が違います。
     43
     44=== RSS - XML Content Syndication ===
     45全てのレポートは、 XML/RSS 2.0 での配信が可能です。 RSS フィードを購読するにはページ下部にある、オレンジ色の 'XML' アイコンをクリックしてください。 Trac での RSS 対応についての一般的な情報は、 TracRss に記述しています。
     46
     47----
     48
     49== カスタムレポートを作成する ==
     50
     51''カスタムレポートを作成するためには、 SQL を楽に書ける程度の知識が必要です。''
     52
     53レポートは基本的に、 Trac が実行できる形式の、名前がついた特定 SQL です。
     54レポートに指定された SQL は、直接 Web インタフェースから閲覧したり、
     55作成したりできます。
     56
     57通常のレポートは、 'ticket' 表に対する、カラムの選択や、ソート指定を伴った
     58SELECT 文となります。
     59
     60== Ticket 表のカラム ==
     61''ticket'' 表は、以下のカラムを持ちます:
     62 * id           -- チケットID
     63 * time         -- 登録日時
     64 * changetime   -- 最終更新日時
     65 * component    -- コンポーネント
     66 * severity     -- 重要度
     67 * priority     -- 優先度
     68 * owner        -- 担当者
     69 * reporter     -- 報告者
     70 * cc           -- 関係者
     71 * version      -- バージョン
     72 * milestone    -- マイルストーン
     73 * status       -- ステータス
     74 * resolution   -- 解決方法
     75 * summary      -- チケットの概要
     76 * description  -- チケットについての完全な説明
     77
     78各カラムに対応する属性の詳細な説明は、 TracTickets に記述しています。
     79
     80'''優先度順、登録日時順の全未解決チケット'''
     81
     82'''例:''' ''優先度順、登録日時順の全未解決チケット''
     83{{{
     84SELECT id AS ticket, status, severity, priority, owner,
     85       time as created, summary FROM ticket
     86  WHERE status IN ('new', 'assigned', 'reopened')
     87  ORDER BY priority, time
     88}}}
     89
     90
     91----
     92
     93
     94== 上級トピック: 動的変数の使用 ==
     95レポートに汎用性を持たせる手段として、 ''動的変数'' をレポート SQL で使用する方法があります。
     96簡単に言うと、動的変数とは、クエリを実行する前に置き換えられる ''特別な'' 文字列のことです。
     97
     98=== クエリで動的変数を使う方法 ===
     99動的変数を使うためのシンタックスは単純です。 '$' に続いて、大文字で変数名となる語を挿入してください。
     100
     101例:
     102{{{
     103SELECT id AS ticket,summary FROM ticket WHERE priority='$PRIORITY'
     104}}}
     105
     106レポート閲覧時、 $PRIORITY に値を当てはめるためには、レポートの URL に引数として変数を与えてください。この変数名に '$' を入れてはいけません。
     107
     108例:
     109{{{
     110 http://trac.edgewall.org/reports/14?PRIORITY=high
     111}}}
     112
     113複数の値を使用する場合、各値を '&' で区切ります。
     114
     115例:
     116{{{
     117 http://trac.edgewall.org/reports/14?PRIORITY=high&SEVERITY=critical
     118}}}
     119
     120
     121=== 特殊な定数 ===
     122実用的なレポートのために、定義済みの動的変数が用意されています。これらは URL に値を設定しなくても、自動的に値が割り当てられます。
     123
     124 * $USER -- ログインに使用したユーザ名。
     125
     126例 (''私が担当になっているチケット一覧''):
     127{{{
     128SELECT id AS ticket,summary FROM ticket WHERE owner='$USER'
     129}}}
     130
     131
     132----
     133
     134
     135== 上級トピック: 表示形式のカスタマイズ ==
     136Trac には、レイアウトのカスタマイズや、グルーピング、ユーザ定義の CSS 利用などによる
     137もっと複雑なレポートの作成も可能です。このようなレポートを作成するには、
     138Trac のレポートエンジンが出力を制御するためのステートメントを含む、特別な SQL を使用します。
     139
     140== 特別なカラム ==
     141レポートを整形するため、 TracReports はクエリの結果から '特定の' カラム名を
     142探します。このような '特定の' 名前で、最終的なレポートのレイアウトやスタイルが
     143処理され、変更されます。
     144
     145=== 自動的に整形されるカラム名 ===
     146 * '''ticket''' -- チケットの ID が入っているカラムで使用します。該当する ID のカラムにハイパーリンクされます。
     147 * '''created, modified, date, time''' -- 日付や時刻に整形されます。
     148
     149 * '''description''' -- チケットの説明が入っているカラムで使用します。 Wiki エンジンで処理されます。
     150
     151'''例:'''
     152{{{
     153SELECT id as ticket, created, status, summary FROM ticket
     154}}}
     155
     156=== 整形されるカラムのカスタマイズ ===
     157カラム名の前後に 2 つのアンダースコアがついている場合 (例: '''`__color__`''') は、
     158''整形用のヒント'' として扱われ、レコードの整形が行われます。
     159 
     160 * '''`__group__`''' -- 指定されたカラムで、表示がグループ化されます。各グループは、それぞれセクションヘッダとクエリ結果の表を持ちます。
     161 * '''`__color__`''' -- 1 から 5 の数値である必要があります。値によって、あらかじめ定義された色付けが行われます。一般的な使用法は、優先度別の色付けです。
     162 * '''`__style__`''' -- CSS 形式でレコードを整形できます。
     163
     164'''例:''' ''マイルストーン別未解決チケット (優先度別色付け)''
     165{{{
     166SELECT p.value AS __color__,
     167     t.milestone AS __group__,
     168     (CASE owner WHEN 'daniel' THEN 'font-weight: bold; background: red;' ELSE '' END) AS __style__,
     169       t.id AS ticket, summary
     170  FROM ticket t,enum p
     171  WHERE t.status IN ('new', 'assigned', 'reopened')
     172    AND p.name=t.priority AND p.type='priority'
     173  ORDER BY t.milestone, p.value, t.severity, t.time
     174}}}
     175
     176'''Note:''' ''ticket'' 表の優先度に対応する数値は、 ''enum'' 表を結合することで
     177取り出しています。
     178
     179=== 行単位のレイアウト変更 ===
     180デフォルトでは、全てのカラムで1行を使い、上記の指定がされていれば、
     181フォーマットされた形式で HTML に表示されます。それだけでなく、
     182これから挙げる指定によって、複数行にわたってのレイアウトを行うことができます。
     183
     184 * '''`column_`''' -- ''改行''。 カラム名の語尾にアンダースコア ('_') を付与した場合、以降のカラムは次の行で表示されます。
     185
     186 * '''`_column_`''' -- ''全行表示''。 カラム名の前後にアンダースコア ('_') を付与した場合、そのカラムは続く行で全てのカラム幅を使って表示されます。
     187
     188 * '''`_column`'''  --  ''データを非表示にする''。 カラム名の語頭にアンダースコア ('_') を付与した場合、 HTML 出力では非表示になります。これは (CSV や RSS のような) 別フォーマットでのダウンロード時にだけ見たい情報であるときに使います。
     189
     190'''例:''' ''アクティブなチケットを、マイルストーンでグループ化し、優先度で色付け、チケットの説明を multi-line レイアウトでリスト表示する''
     191
     192{{{
     193SELECT p.value AS __color__,
     194       t.milestone AS __group__,
     195       (CASE owner
     196          WHEN 'daniel' THEN 'font-weight: bold; background: red;'
     197          ELSE '' END) AS __style__,
     198       t.id AS ticket, summary AS summary_,             -- ## ここで改行する
     199       component,version, severity, milestone, status, owner,
     200       time AS created, changetime AS modified,         -- ## 日付形式で整形
     201       description AS _description_,                    -- ## 全行を使用して表示
     202       changetime AS _changetime, reporter AS _reporter -- ## HTML 出力では表示しない
     203  FROM ticket t,enum p
     204  WHERE t.status IN ('new', 'assigned', 'reopened')
     205    AND p.name=t.priority AND p.type='priority'
     206  ORDER BY t.milestone, p.value, t.severity, t.time
     207}}}
     208
     209=== カスタムフィールドをレポートで使用する ===
     210
     211チケットにカスタムフィールドを追加した場合(バージョン 0.8 では実験的な機能でした。 TracTicketsCustomFields 参照)、カスタムフィールドを含む SQL クエリを書くことができます。 ticket_custom テーブルを join をする必要がありますが、これは取り立てて簡単というわけではありません。
     212
     213追加のフィールドを trac.ini に宣言する ''前に'' 、チケットがデータベースに存在する場合、 ticket_custom テーブルには関連するデータを持たないことになります。これに起因する問題を回避するためには SQL の "LEFT OUTER JOIN" 節を使用してください。
     214
     215----
     216See also: TracTickets, TracQuery, TracGuide