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Trac インストールガイド
Table of Contents
Trac は軽量なプロジェクト管理ツールで、 Web ベースのアプリケーションとして実装されています。 Trac は Python で記述されており、データベースが必要です。 (SQLite, PostgreSQL, MySQL が使用可能です)。 HTML レンダリングには Clearsilver テンプレートシステムを使用します。
以下に示すのは、 Trac のインストールと設定要件に関する一般的な説明です。 Trac を特定のシステムにインストールするための説明は Trac のメインサイトの TracInstallPlatforms に掲載されています。インストールに必要なタスクをよく理解するためにこれらの一般的な説明を最初に必ず読んでください。
インストール要件
ソフトウェア要件:
- Python, バージョン 2.3 以上。
- RPM をベースとしたシステムでは
python-devel
とpython-xml
パッケージも必要かもしれません。 - もし Windows 上で Trac を Subversion とともに使用するならば、 Python 2.4 用にプリコンパイルされた Subversion bindings がないので、 Python 2.3 が必要になるでしょう。
- 2006-09-20: この記述はもはや正しくないかもしれません。 http://subversion.tigris.org/servlets/ProjectDocumentList?folderID=91 を参照して下さい。 Subversion 1.4.0 用の python 2.4 の バイナリの bindings が利用可能となっています。
- RPM をベースとしたシステムでは
- ClearSilver, バージョン 0.9.3 以上。
- python-bindings (
./configure --with-python=/usr/bin/python
)
- python-bindings (
- データベースと使用するデータベースに適切な Python のドライバが必要です。 データベースとして SQLite, PostgreSQL, MySQL (実験的) が使用できます。
SQLite 利用
- SQLite, バージョン 2.8.x か 3.x(推奨)
- PySQLite, バージョン 1.x (SQLite 2.x 用) またはバージョン 2.x (SQLite 3.x 用)。詳細はPySqlite 参照。
Note: Trac のバージョン 0.9 以前では PySQLite 2.x は 動きません。
Note: リポジトリの 'contrib' セクションにある 'trac-post-commit-hook.py' スクリプトを使用するつもりならば、PySQLite 2.x は Trac 0.9+/SQLite 3.x が必要です。
Note: Mac OS X のユーザは気を付けて下さい; Apple 社が供給している SQLite は AFP や SMP といったネットワークファイルシステムにおけるファイルのロックを実現するためのコードが含まれています。これは現在の主流ではありませんので、ソースコードから自分で SQLite をビルドする場合、このようなファイルシステムでは正しく動かないでしょう。- たいていの場合、 "database is locked
" というエラーがでるでしょう。 アップル社のコードのバージョン 3.3.6 で利用可能な パッチ があります。それ以外では、アップル社が供給しているバージョン (現在 3.1.3) を使用するのがたぶん最良でしょう。
PostgreSQL 利用
Note: PostgreSQL に対応しているのは Trac バージョン 0.9 以降です。
MySQL 利用
注意: MySQL の対応は現在実験段階です。動くかもしれませんが、まだ十分にテストはされていません。
Note: MySQL に対応しているのは Trac バージョン 0.10 以降です。
オプション要件
バージョン管理システム
- Subversion, バージョン 1.0 以降(1.2.3 もしくは 1.3.1以降推奨) と 対応する Python bindings。トラブルシューティングについては、 TracSubversion を参照して下さい。
- サードパーティが提供しているほかのバージョン管理システムに対応しています。 PluginList とVersioningSystemBackend を参照して下さい。
Web サーバ
- CGI を利用可能な Web サーバ (see TracCgi) または
- FastCGI を利用可能な Web サーバ(see TracFastCgi) または
- Apache と mod_python 3.1.3+ (see TracModPython)
- mod_python の開発バージョンをインストールするとき、 Python と Apache が必要です。 (実際のライブラリとヘッダファイル)
Apache 1.3 で実行するには、 Trac 0.8.4 とmod_python 2.7 を使用することで可能となります。(TracModPython2.7 参照) Trac 0.9 ではテストしていないので、動くかどうかは分かりません。
その他の Python のユーティリティ
- プラグインを使用する場合 setuptools, バージョン 0.6 以上。 (see TracPlugins)
- WikiRestructuredText を使用する場合 docutils, バージョン 0.3.9 以上
- シンタックス ハイライト を使用する場合 SilverCity または Enscript もしくは両方。
- SilverCity 0.9.6 には バグ があり、 Trac で Python のシンタックスハイライトを壊してしまいます。更新バージョンが利用可能になるまで、バージョン 0.9.5 を使用することを推奨します。
注意: これらのソフトウェアの依存するパッケージに利用可能なバージョンがいろいろありますが、かならずしも互換性あるとは限りません。上記のバージョン番号に注意してください。もし Trac が動かないようだったら、すべての依存関係をもう一度確認してください。確認したうえで、 メーリングリスト や IRCチャンネル をたずねてみてください。
これらのパッケージの最もよいインストール方法を理解するためにパッケージ付属のドキュメントを読んでください。加えて、 プラットフォーム特有の説明 にも、インストール時の依存関係が記述されています。ただしそれもインストールしようとしている Trac のバージョンより古いバージョンにおける情報かもしれないということを覚えておいて下さい。(特に、 いくつかのページは Trac 0.8 の説明になっています。)
Trac のインストール
多くの Python プログラムと同様、ソースディレクトリの一番上で次のコマンドを実行することで、 Trac の Python パッケージをインストールできます:
$ python ./setup.py install
Note: このステップをおこなうには root 権限、またはそれと同等の権限が必要です。
この手順は、 Python ソースコードをバイトコンパイルして、 Python の site-packages
ディレクトリにインストールします。
また、ディレクトリ cgi-bin
, template
, htdocs
, wiki-default
, wiki-macros
配下のすべてのファイルを $prefix/share/trac/
ディレクトリにコピーします。 conf
と plugins
ディレクトリは $prefix/share/trac
配下に新規に作成されます (milestone:0.10 以降)。
さらに、このスクリプトでは Trac environment を作成したりメンテナンスするためのコマンドラインツールである trac-admin や、スタンドアロンで動作するサーバ tracd をインストールします。
上級オプション
Trac を上記以外の場所にインストールしたい場合や、その他の高度なインストールオプションを見たい場合は次のコマンドを実行してください:
$ python ./setup.py install --help
詳細は Installing Python Modules を参照。
単純にインストールする場所を変えたいのであれば、以下の通りです:
$ python ./setup.py install --prefix=/path/to/installdir
プロジェクト環境の作成
Trac environment は Trac が Wiki ページ、チケット、レポート、設定などのような情報を保存するバックエンドストレージです。 Trac environment は基本的に、人間が読むことができる設定ファイル、その他いろいろなファイルとディレクトリを含んだディレクトリです。
trac-admin を使用して、新しい Trac environment を作成します。:
$ trac-admin /path/to/myproject initenv
trac-admin がプロジェクト環境を作成するのに必要な情報を聞いてきます。たとえば、プロジェクトの名前や、ソースコードリポジトリ の種類とパス、 データベースに接続するための文字列 などです。もしこれらのオプションで設定を何にすればいいのか分からなければ、デフォルト値を使用するために空白にしておいてください。特にデータベースに接続するための文字列は SQLite をインストールしている限り、動くでしょう。ソースコードリポジトリへのパスを空白にしておくとバージョン管理に関する機能が無効になりますが、システムが動いてさえいれば、後からいつでも追加することができます。
また、ここで指定した値は後で 設定ファイル を編集することによって変更できます。
Note: Web サーバの起動ユーザには、この environment ディレクトリ、 およびその配下のすべてのファイルに対する書き込みパーミッションが必要です。
スタンドアロンサーバを起動する
Trac environment を作成した後, スタンドアロンサーバの tracd を起動することによって簡単に Web インタフェースを使ってみることができます。
$ tracd --port 8000 /path/to/myproject
そして、ブラウザを起動して、 http://localhost:8000/
にアクセスしてみてください。 tracd が認識しているすべての環境が簡単にリストされます。作成した環境へのリンクをクリックし、実際の Trac を見るべきです。
Web サーバで Trac を起動する
Tracは“"本当の" Web サーバに接続するための 3 つのオプションを提供しています: CGI, FastCGI と mod_python です。まともなパフォーマンスを引き出すために、 FastCGI か mod_python を使用することをおすすめします。
認証の設定
ユーザアカウントの追加・削除・設定はどのような方法で Trac を動かしているかによります。基本的な手順は TracCgi ページの 認証を追加する セクションに書かれています。使用しているフロントエンドでの認証の設定方法を学ぶには、以下のページのどれかを参照してください:
- TracStandalone スタンドアロンサーバ
tracd
を使用している場合 - TracCgi CGI または FastCGI を使用している場合
- TracModPython mod_python を使用している場合
Trac を使う
一度、 Trac のサイトを構築して起動したら、 Subversion のリポジトリをブラウズしたり、チケットを登録したり、タイムラインを見たりすることができます。
デフォルトの設定では、 anonymous ユーザ (ログインしていないユーザ) でも大半の機能を使用できますが、全てではありません。認証を設定し、認証済みのユーザがすべての機能を利用できるように 権限 を追加するのを忘れないで下さい。
それでは楽しんで''
See also: TracGuide, TracCgi, TracFastCgi, TracModPython, TracUpgrade, TracPermissions