「構造体」の版間の差分

提供: AB開発Wiki
ナビゲーションに移動検索に移動
(+Category:言語仕様)
 
(他の1人の利用者による、間の3版が非表示)
1行目: 1行目:
 +
構造体を利用すると、複数の様々なデータ型を一つにまとめて管理できます。ABではクラスは参照型なのに対し、構造体は値型です。構造体はC/C++の構造体とビット単位で互換性を持ち、低レベルAPIを操作する場合に有効な手段となります。内部がブラックボックス化されるクラスとは異なり、構造体はデータ配置の順序や型サイズ、アラインメントに気を配りながら扱う必要があります。
 +
 
== 構造体の定義 ==
 
== 構造体の定義 ==
 
  '''Type''' [Align(''n'')] ''TypeName''
 
  '''Type''' [Align(''n'')] ''TypeName''
5行目: 7行目:
  
 
=== 項目 ===
 
=== 項目 ===
 +
;n
 +
:アラインメントをバイト単位で指定できます。指定する値は1,2,4,8,16のいずれかでなければなりません。
 +
;TypeName
 +
:構造体の名前を指定します。
 +
;Members
 +
:構造体を構成するメンバ(複数可)を指定します。"Member As Type" などのように、メンバ名・データ型を指定します。
  
''n''
+
=== 備考 ===
: アラインメントをバイト単位で指定できます。指定する値は1,2,4,8,16のいずれかでなければなりません。
+
小さなデータを扱う場合、値型である構造体は非常に軽い動作を提供してくれますが、大きなデータを扱うときには、データ量に注意しなければなりません。例えば、下記のようなコードは構造体のハードコピーが行われ、構造体サイズが実行速度に影響を及ぼします。
  
''TypeName''
+
Type DATAINFO
: 構造体の名前を指定します。
+
    a[MAX] As Long
 +
End Type
 +
 +
Sub Proc(data As DATAINFO)
 +
    ...
 +
End Sub
 +
 +
Dim data As DATAINFO
 +
Dim data2 As DATAINFO
 +
...
 +
data = data2  'ハードコピーが行われる
 +
Proc(data)  'ハードコピーが行われる
  
''Members
+
[[Category:言語仕様|こうそうたい]]
: 構造体を構成するメンバ(複数可)を指定します。"Member As Type" などのように、メンバ名・データ型を指定します。
 

2007年8月6日 (月) 02:39時点における最新版

構造体を利用すると、複数の様々なデータ型を一つにまとめて管理できます。ABではクラスは参照型なのに対し、構造体は値型です。構造体はC/C++の構造体とビット単位で互換性を持ち、低レベルAPIを操作する場合に有効な手段となります。内部がブラックボックス化されるクラスとは異なり、構造体はデータ配置の順序や型サイズ、アラインメントに気を配りながら扱う必要があります。

構造体の定義

Type [Align(n)] TypeName
    Members
End Type

項目

n
アラインメントをバイト単位で指定できます。指定する値は1,2,4,8,16のいずれかでなければなりません。
TypeName
構造体の名前を指定します。
Members
構造体を構成するメンバ(複数可)を指定します。"Member As Type" などのように、メンバ名・データ型を指定します。

備考

小さなデータを扱う場合、値型である構造体は非常に軽い動作を提供してくれますが、大きなデータを扱うときには、データ量に注意しなければなりません。例えば、下記のようなコードは構造体のハードコピーが行われ、構造体サイズが実行速度に影響を及ぼします。

Type DATAINFO
    a[MAX] As Long
End Type

Sub Proc(data As DATAINFO)
    ...
End Sub

Dim data As DATAINFO
Dim data2 As DATAINFO
...
data = data2   'ハードコピーが行われる
Proc(data)   'ハードコピーが行われる