「列挙体」の版間の差分

提供:AB開発Wiki
ナビゲーションに移動検索に移動
編集の要約なし
 
(+Category:言語仕様)
 
(他の1人の利用者による、間の2版が非表示)
1行目: 1行目:
列挙体は関連する整数定数の集合を定義するために利用します。
列挙体は関連する整数定数の集合を定義するために利用します。ABの列挙体には、列挙メンバを単なる定数値として扱うモードと、タイプセーフな列挙オブジェクトとして扱うモードの2通りの利用方法があります。


== 列挙体の定義 ==
== 列挙体の定義 ==
  '''Enum''' ''Name''
  ['''Const'''] '''Enum''' ''Name''
     ''Members''
     ''Members''
  '''End Enum'''
  '''End Enum'''


=== 項目 ===
=== 項目 ===
''Name''
;Const
: 列挙体の名前を指定します。
:Const修飾子を指定すると定数列挙体になります。省略するとタイプセーフ列挙体になります。
;Name
:列挙体の名前を指定します。
;Members
:関連する整数定数を定義します。


''Members''
 
: 関連する整数定数を定義します。
== タイプセーフ列挙体 ==
列挙体をEnumBaseの派生クラスとして管理します。異なる列挙型オブジェクトへの代入が禁止され、定数列挙体と比較してコードミスの軽減が期待できます。この他、列挙メンバ名の取得が可能になるなど、付加機能を利用できます。


=== 例 ===
=== 例 ===
下記のコードサンプルは、メンバa,bを持ち合わせる列挙体uを定義しています。ABの列挙体は、メンバの右辺値として初期値が与えられていないときは、1からカウントされます。この例では、a=1、b=2の値を保有することになります。
下記のコードサンプルは、メンバa,bを持ち合わせる列挙体uを定義しています。ABの列挙体は、メンバの右辺値として初期値が与えられていないときは、1からカウントされます。この例では、a = 1、b = 2の値を保有することになります。


  Enum x
  Enum x
21行目: 26行目:
  End Enum
  End Enum


下記のように初期値を指定した場合、a=0、b=1という具合になります。
下記のように初期値を指定した場合、a = 0、b = 1という具合になります。


  Enum x
  Enum x
     a=0
     a = 0
     b
     b
  End Enum
  End Enum
31行目: 36行目:


  Enum x
  Enum x
     a=10
     a = 10
     b=20
     b = 20
     c=30
     c = 30
  End Enum
  End Enum




== 列挙体の値を参照する ==
=== タイプセーフ列挙体の値を参照する ===
列挙体が保有する定数値を参照する場合は、"列挙体.メンバ" のように記述します。ABの列挙体はメンバの値は勿論のこと、メンバの名前を参照することもできます。下記にメンバの値と名前を取得するサンプルコードを示します。
列挙体が保有する列挙メンバを参照する場合は、"列挙体.メンバ" のように記述します。ABの列挙体はメンバの値は勿論のこと、メンバの名前を取得することもできます。下記にメンバの値と名前を取得するサンプルコードを示します。


  Enum x
  Enum x
46行目: 51行目:
   
   
  Dim i As Long
  Dim i As Long
  i=x.a
  i = x.a
  Print "列挙体xのメンバ" + x.a.ToString() + "の値は" + Str$(i) + "です。"
  Print "列挙体xのメンバ" + x.a.ToString() + "の値は" + Str$(i) + "です。"


54行目: 59行目:




== 列挙体の基底クラス ==
=== 列挙体の基底クラス(EnumBaseクラス) ===
ABで定義するすべての列挙体は下記に示すEnumBaseクラスを継承しています。
ABで定義するすべてのタイプセーフ列挙体は下記に示すEnumBaseクラスを継承しています。
 
Class EnumBase
    m_Value As Long
    m_Name As String
Public
    Sub EnumBase(value As Long, name As String)
        m_Value = value
        m_Name = name
    End Sub
    Sub ~EnumBase()
    End Sub
    Function ToString() As String
        Return m_Name
    End Function
    Sub Copy(ByRef obj As EnumBase)
        m_Value = obj.m_Value
        m_Name = obj.m_Name
    End Sub
    Function Operator() As Long
        Return m_Value
    End Function
End Class
 
 
== 定数列挙体 ==
Const修飾子を指定すると、列挙メンバは定数として定義されます。例えば、下記の2つのコードは同一の意味になります。定数列挙体はWin32APIなど、過去のC/C++系ライブラリとの互換性に優れます。
 
Const Enum x
    a
    b
End Enum
 
TypeDef x = Long
Const a = 1
Const b = 2


工事中...
[[Category:言語仕様|れつきよたい]]

2007年8月6日 (月) 02:42時点における最新版

列挙体は関連する整数定数の集合を定義するために利用します。ABの列挙体には、列挙メンバを単なる定数値として扱うモードと、タイプセーフな列挙オブジェクトとして扱うモードの2通りの利用方法があります。

列挙体の定義

[Const] Enum Name
    Members
End Enum

項目

Const
Const修飾子を指定すると定数列挙体になります。省略するとタイプセーフ列挙体になります。
Name
列挙体の名前を指定します。
Members
関連する整数定数を定義します。


タイプセーフ列挙体

列挙体をEnumBaseの派生クラスとして管理します。異なる列挙型オブジェクトへの代入が禁止され、定数列挙体と比較してコードミスの軽減が期待できます。この他、列挙メンバ名の取得が可能になるなど、付加機能を利用できます。

下記のコードサンプルは、メンバa,bを持ち合わせる列挙体uを定義しています。ABの列挙体は、メンバの右辺値として初期値が与えられていないときは、1からカウントされます。この例では、a = 1、b = 2の値を保有することになります。

Enum x
    a
    b
End Enum

下記のように初期値を指定した場合、a = 0、b = 1という具合になります。

Enum x
    a = 0
    b
End Enum

初期以降のメンバは自動的に前のメンバに1をプラスした値となりますが、下記のようにすべてのメンバの値を指定することもできます。

Enum x
    a = 10
    b = 20
    c = 30
End Enum


タイプセーフ列挙体の値を参照する

列挙体が保有する列挙メンバを参照する場合は、"列挙体.メンバ" のように記述します。ABの列挙体はメンバの値は勿論のこと、メンバの名前を取得することもできます。下記にメンバの値と名前を取得するサンプルコードを示します。

Enum x
    a
    b
End Enum

Dim i As Long
i = x.a
Print "列挙体xのメンバ" + x.a.ToString() + "の値は" + Str$(i) + "です。"

実行結果は下記のように出力されます。

列挙体xのメンバaの値は1です。


列挙体の基底クラス(EnumBaseクラス)

ABで定義するすべてのタイプセーフ列挙体は下記に示すEnumBaseクラスを継承しています。

Class EnumBase
    m_Value As Long
    m_Name As String
Public
    Sub EnumBase(value As Long, name As String)
        m_Value = value
        m_Name = name
    End Sub
    Sub ~EnumBase()
    End Sub

    Function ToString() As String
        Return m_Name
    End Function

    Sub Copy(ByRef obj As EnumBase)
        m_Value = obj.m_Value
        m_Name = obj.m_Name
    End Sub

    Function Operator() As Long
        Return m_Value
    End Function
End Class


定数列挙体

Const修飾子を指定すると、列挙メンバは定数として定義されます。例えば、下記の2つのコードは同一の意味になります。定数列挙体はWin32APIなど、過去のC/C++系ライブラリとの互換性に優れます。

Const Enum x
    a
    b
End Enum
TypeDef x = Long
Const a = 1
Const b = 2